今回のテーマは、トレード中級者を目指す人に向けた、含み損からの立て直しを学べる『両建て』です。

スイングトレードを続けていると、含み損や思わぬ逆行に悩むことは避けられません。
切って後悔する人もいれば、耐えて塩漬けになる人もいます。
そうした場面を整理する鍵が「両建て」という考え方です。
基礎から実例までを学ぶことで、あなた自身の選択肢を広げるヒントになるはずです。
Contents
1.両建ての基本
皆さんは両建てって聞いたことありますか?
同じ銘柄で買いと売りを同時に保有することで、逆行時の損失を相対的に抑えることを狙う考え方です。
ただし万能ではないので、ルールを決めて使います。まずは両建ての基本を一緒に見ていきましょう。
両建てとは何かというと、
同じ銘柄で買い玉と空売り玉を同時に持ち、
利益に繋げていく手法です。
メインの玉と保険の玉という考え方で2つのポジションを持って戦っていくやり方です。
両建てをどういう場面で使うのかを具体例で説明すると、
例えば日足・週足・月足が強い局面で上昇すると思い、買い玉を入れたとします。
ところが一時的に陰線で5MAを入れて下落が起こった際に保険として空売り玉を入れます。
この時に両建てとなります。
再度5MAを陽線で超えてくれば保険の空売り玉を利確し、買い玉だけで戦います。
両建てはずっと2つのポジションを持つだけではなく、
保険の必要がなくなれば片方の玉は抜いて戦います。
慣れるまでは難しく感じるかもしれませんが、慣れると
結構安全に戦える手法です。
塩漬け株を持った場合の使い方を説明すると、
現時点で塩漬け株を持っている場合は、その銘柄で何とか戦っていく方法と
潔く損切して他の銘柄に行く方法がありますが、
その銘柄で戦うとしたら、
買い玉で塩漬け株を持っていたら、一旦下落が終わるまで空売り玉を保険として入れます。
その後、下落が終わった時点で空売り玉を抜き買い玉だけで戦っていきます。
この時の下落が終わったというのは、底値でWを形成したり下値が固まったことを指します。
両建ての注意点をお伝えすると、
玉を動かすタイミングを学習してから戦わないと自分が今、どんなシナリオで戦っているかが分からなくなり、操作が混乱するのできちんと学習する必要があります。
ただ、このスキルは学習して習得すると大きな武器になります。
特にポジションの量が大きくなると威力を発揮します。
例えば1万株の売買をしている時に
一時的に大きな陰線が出て下落すると、食らってしまいます。
これを正しい両建てを覚えていたら金銭的にも精神的に楽に戦うことができるようになります。
上手になれば保険の空売り玉の方でも利益を出し、本玉の買い玉の方でも利益を出すことができる立ち回りが可能となります。
長く相場で戦うなら習得しておくと良いスキルですね。
「嵐の前の完璧な備え」が200万円を守り抜いた夜
決算発表の前日、私は究極の選択を迫られていました。保有中の銘柄が1500円まで上昇していましたが、翌日の決算結果次第では大暴落もありえる状況。そこで思い切って両建てを実行しました。
基本の戦略は決算マタギはしない方が良いです。
買い10000株はそのままに、同数の売りポジションを1500円で建てました。翌朝の決算発表は予想を大きく上回る好決算。株価は一気に1700円まで急騰しました。
ここからが両建ての真価です。まず売りポジションを1550円で損切りし、50万円の損失を確定。しかし買いポジションは200万円の含み益に膨らんでいました。さらに株価の勢いを見て1650円で半分利確し、残り半分は1750円まで伸ばして全利確。
最終的な利益は約200万円。もし両建てをしていなければ、決算リスクを恐れて1400円で早々に利確していたでしょう。両建てが「攻めの保険」として機能した瞬間でした。
この手法の核心は、感情に流されれば諸刃の剣になりますが、リスクを限定しながら大きなチャンスを掴む「守りながら攻める」発想の上級者スキルです。ただし冷静な判断力が絶対条件です。
2.両建てを入れる合図
両建ては“入れる勇気”より外す基準がないと、長く資金を縛ってしまいがちです。
ここでは、始める合図/外す条件をチェックリスト化し、感情ではなく手順で動ける形に整えます。
両建てを“入れる合図”を具体的に解説すると、
例えば先程も少し説明しましたが、日足・週足・月足が強い局面で上昇すると思い、買い玉を入れたとします。
ところが一時的に陰線で5MAを入れて下落が起こった際に保険として空売り玉を入れます。
この時に両建てとなります。
空売りの場合は今の逆だと考えてください。
両建てを“外す(解消する)条件”をを解説すると、
再度5MAを陽線で超えてくれば保険の空売り玉を利確し、買い玉だけで戦います。
5MAの上に陽線が出るまでは、保険の空売り玉は保有しておきます。
これを少しでも損が出るのが嫌だからと言い、
早くから空売り玉を外すと再度下落して本玉の買いを守れなくなるので
必ず5MAの上に陽線が出るまで待ってから空売り玉を外しましょう。
両建ての外し方の“手順”を具体的にお伝えすると
部分的に分けて外すのではなく、5MAの上に陽線が出たタイミングで一気に全部外してください。
複雑に分けて分割で外すなどは考えない方が良いです。
両建てを入れた際“期限”などは設定する必要はありません。
あくまでも基準は5MAの上に陽線が出るかどうかで判断でいいのです。
「3つの条件が重なった瞬間」に仕掛けた完璧な両建て
通常は指標での売買は行いませんが、たまたま指標トレードを行ったときの事例を紹介します。
その日、私は3つの重要な条件が同時に揃うのを目撃しました。
①週足の重要サポートライン1200円での攻防、
②FOMC発表を翌日に控えた異常な静けさ、
③出来高が急激に膨らみ始めた兆候。まさに「嵐の前の静寂」でした。
迷わず1200円で買い10000株、同時に同数の売りも建てました。その絶好のタイミングだったのです。
翌日のFOMC発表後、市場は一気に動きました。最初は1150円まで下落しましたが、その後急反発して1350円まで上昇。私は下落局面で売りポジションを1180円で利確し、上昇局面では買いポジションを1320円で利確しました。
結果、売りで20万円、買いで120万円、合計140万円の利益。単純に買いだけなら50万円の損失、売りだけなら170万円の損失になっていたでしょう。
両建ての真髄は「大きな変動が予想されるが方向が読めない時の万能戦略」と「買いだと思っていたものが急落した時の保険」です。ただし明確なエントリー条件なしに使えば、手数料だけが増える無意味な手法になりますのでしっかり学んでから使いましょう。
3.リスクを減らすための資金配分
“いつ入れる・いつ解消する”が決まったら、次はどれだけ“保険”をかけるか。
この章では、初回の割合・増減ルール・資金の上限を数値で決めます
最初にかける“保険”の割合は、状況にもよりますが、1例をお伝えすると、
例えば100MAの上で200株買い玉を保有していたとします。
この場合はメイン玉は買いなので、下がってきた時の保険は100株空売りを入れます。
つまり、空売り100株、買い200株という具合になり、
メイン玉の方を多くしてポジションを組むのがおすすめです。
100MAの下で200株空売り玉を保有していたとしたら、
この場合はメイン玉は空売りなので、上がってきた時の保険は100株買い玉を入れます。
つまり、空売り200株、買い100株という具合になります。
文章で説明すると割りにくい可能性がありますが、
今理解できなくても大丈夫です。
毎回文章を繰り返し読んでいると理解できるようになりますので安心してください。
状況に応じた“増やす/減らす”ルールは
本玉の方が玉が多く、保険玉の方が玉は少なければ問題ありません。
ここで厳密に何%でないといけないということはないのです。
細かい部分にこだわりすぎると上手くいきません。重要なのは
本玉に対して一時的な保険をかけるだけなのでこの保険はいずれ、玉を抜くので本玉より少なめに入れればいいと覚えておいてください。
資金配分と“余力ルール”、ですが、
複雑に考えずに以下だけを覚えておいてください。
エントリーした玉の半分の玉は入れられる状態にしておく。これで大丈夫です。
複雑で分かりにくいルールはいりません。
例えば1000株買い玉を入れたら500株の空売り玉を入れられる状態にしておけばいいということです。
複雑にすると訳が分からなくなり、立ち回れなくなりますので
シンプルに半分の保険を入れられるように資金管理しておけばいいと覚えておきましょう。
「完璧なルール」を自分で破壊した愚かな一瞬
私には鉄の掟がありました。「日足・週足・月足が強い局面で上昇すると思い、買い玉を入れたは、買い10000株に対して売り5000株の比率を崩すな。片方だけの調整は絶対禁止」。この単純なルールで3ヶ月連続右肩上がり維持していたのです。
その日、1600円で買い10000株・売り5000株のポジションを組んでいました。株価が1550円まで下落し、売りポジションに25万円の含み益。「少しだけなら」と魔が差し、5MAの上に陽線が出ているので本来は全て利確しなければいけないところを売りポジション2000株だけを利確してしまったのです。
その瞬間から悪夢が始まりました。
株価は急反発して1700円まで上昇。買い10000株で100万円の含み益があるものの、残った売り3000株で45万円の含み損。しかも2:1の黄金比率が崩れ、コントロールを失いました。
結果、利益を大幅に削って30万円で終了。
この失敗後、私は感情を入れず機械的に売買することを意識しました。
人間は必ず感情に負ける瞬間があります。だからこそ、徹底したルールを作ることが、両建て成功の絶対条件なのです。
相場は常に揺れますが、判断の型を持てば振り回されにくくなります。
今日紹介した「両建て」の視点は、選択肢を増やし、感情に寄らない準備につながります。
無理をせず、少額で検証を重ねて、ご自身の手順に落とし込んでください。
トレードは積み重ねですから、一歩ずつ着実に磨いていきましょう。
ここで少しお知らせです。
私の公式LINEでは、ノウハウ資料やチェックリストなどを無料配布しています。
では、配布している内容をかんたんにご紹介します。
まずは全7ステップの学習プラン。
「何から始め、どの順で身につけるか」をチェックリストで見える化しています。
なお、金額や勝率は相場環境や資金管理で大きく変わるため、数値は学習の目安としてお使いください。
続いて、私自身の過去の成績例と取引プロセスも公開しています。
当時の期間・相場局面・資金規模など、前提条件や証跡を添えて解説します。
また、「練習ではできるのに本番で崩れる…」という方に向けて、3ヶ月を目安に取り組める実践的な練習方法も用意しました。
小さな課題を積み上げ、振り返りフォーマットでご自身の癖を可視化していきます。
あわせて、期待値や損益比の設計にも触れます。
どこで負けを受け入れるかを先に決めておくための考え方です。魔法の手法はありませんし、損失リスクは常に存在します。
配布物については、以前の有料教材から重要パートを抜粋し、無料の学習資料として一部提供しています。
また、公式LINE登録者向けにKindle書籍の無料配布も行っています。
繰り返しになりますが、このブログや公式LINEは学習・情報提供を目的としており、利益や勝率の再現性をお約束するものではありません。
売買にあたってはリスクをご理解のうえ、ご自身の責任で慎重にご判断ください。
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